スリッページとは、注文前に見えていた価格と、実際に約定した平均価格がずれることです。特に成行注文では、板に並んでいる注文を順番に約定していくため、注文サイズが大きいほどスリッページが起きやすくなります。

暗号資産の取引所では、最良気配だけを見ても十分ではありません。買いの成行注文なら、最も安い売り注文から順に食い、足りなければさらに高い価格の売り注文まで約定します。

なぜスリッページが起きるのか

主な理由は、板の厚みと注文サイズのバランスです。

たとえば、最良売気配に 0.01 BTC しか並んでいない状態で 0.2 BTC を成行買いすると、最良価格だけでは数量が足りません。次の価格、その次の価格へと約定が進み、平均約定価格は最初に見た価格より高くなります。

また、相場が急に動いているときは、注文を出す瞬間と約定する瞬間で板が変わることがあります。この場合も、想定より不利な価格で約定する可能性があります。

スリッページとスプレッドの違い

スプレッド は、買値と売値の差です。取引所でいえば、最良売気配と最良買気配の差です。

スリッページは、注文が実際にどの価格帯まで約定したかによる価格のずれです。スプレッドが狭くても、板の奥が薄ければスリッページは大きくなることがあります。

つまり、取引所で成行注文を使う場合は、スプレッドだけでなく板の厚みも見る必要があります。

どのくらいなら注意すべきか

絶対的な基準はありません。少額なら気にならない差でも、注文金額が大きくなるほど円換算の影響は大きくなります。

確認するときは、次の3つを見ると実感しやすくなります。

  1. 平均約定価格が最良価格からどれだけ離れているか。
  2. 注文金額を増やしたときに、どの取引所で悪化しやすいか。
  3. 手数料を含めた実効コストが販売所価格と比べてどうか。

実際に確認する

10万円分の BTC 買いで取引コスト計算(板シミュレーター)を開く と、取引所ごとの平均約定価格、スリッページ、マーケットインパクトを確認できます。金額を増やすと、板の厚みによって結果が変わることが分かります。

成行注文そのものの注意点を整理したい場合は、成行注文のリスク も続けて確認してください。